保険適用で治療できる! 効果的な外用薬と内服薬
保険適用でもらえる薬としては、外用薬と内服薬があります。
外用薬は、薬を皮膚に塗って治療する方法です。炎症中のニキビにも効果的で、毛穴のつまりを改善しながらアクネ菌を殺菌する働きがあります。
ニキビ跡がある肌のターンオーバーを促進することで、徐々に改善が見込めるのです。
内服は、ビタミン系の薬やアミノ酸が主成分の薬を飲むことで肌の代謝をあげ、体の中から肌を改善していく効果が期待できます。内服薬には、錠剤タイプや顆粒タイプなどがあります。
外用薬①ディフェリンゲル
どんな治療か
ディフェリンゲルは合成レチノイド(ビタミンA誘導体)を含む外用薬です。
肌の角化や毛穴の詰まりを改善することで、ニキビや肌トラブルへの効果を発揮します。肌の代謝をあげ、ターンオーバーを促進するので、古い細胞を押し上げ、新しい肌への生まれ変わりを助けます。そのため、赤みや色素沈着が残ったニキビ跡に対しても、効果が期待できます。
治療頻度と費用の目安
・治療頻度:1日1回 洗顔後に使用
(紫外線の影響を受けやすいため、夜の使用を推奨)
・費用の目安:保険適用で500~1,000円
2021.09.09
外用薬②ハイドロキノン・トレチノイン
どんな治療か
ハイドロキノンは「肌の漂白剤」ともいわれ、赤みや色素沈着の改善に効果的な薬です。ニキビ跡のほかにも、シミの予防・改善が期待できるといわれています。
トレチノインは、肌のターンオーバーを促進すビタミンA(レチノール)の一種です。複数の形態を持つレチノールの中でも、最も肌への刺激が強いトレチノインは、医療機関でのみ処方できる医薬品となっています。細胞の再生を早く促し、新しい肌をつくる効果があります。ハイドロキノンと併せて使用することで、肌への効果が増し、よりスピーディに改善が期待できるといわれています。
治療頻度と費用の目安
・治療頻度:1日1回程度
(紫外線の影響を受けやすいため、夜の使用を推奨)
・費用の目安:ハイドロキノン 2,000~5,000円 トレチノイン 2,000~8,000円
(医療機関によって金額が異なる)
内服薬
どんな治療か
ニキビ跡に効果的な内服薬には、肌の調子を整えるビタミン系の成分や、肌の代謝を促すアミノ酸系の成分などが含まれています。体の中から肌全体の底上げをすることで、肌のターンオーバー促進し、ニキビ跡を改善する効果が期待できます。とくにニキビ跡に効果的だと言われている内服には、シナール、ユベラ、Lシステインなどがあります。
シナール
ビタミンC(アスコルビン酸)が主成分となる内服薬です。メラニン色素の生成を抑制・還元する働きがあるため、色素沈着したニキビ跡にも効果的です。そのほか、抗酸化作用やコラーゲンの生成にも効果があり、ハリやツヤといった肌の調子を整える薬ともいわれています。
ユベラ
ユベラはビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)を主成分とする薬です。若返りのビタミンとも言われていて、肌の代謝機能をあげ、ターンオーバーを促進させる効果があります。血行や肌の生まれ変わりを促すことにより、ニキビ跡の改善に効果的です。
Lシステイン
Lシステインは、肌の代謝を促進させて美肌に必要不可欠な「タンパク質」を生み出すアミノ酸の一種です。メラニンの排出を促し、無色化させる働きをもちます。また、活性酸素を除去する抗酸化作用があるため、肌荒れやニキビ跡などの肌トラブル改善に効果的です。
治療頻度と費用の目安
・治療頻度:1日3回程度(毎食後)
・費用の目安:2,000~5,000円(1ヶ月分)
(医療機関によって金額が異なる)
ニキビ跡は皮膚科の薬のみでは改善が難しいことも…
皮膚科や美容クリニックで処方される薬でのニキビ跡治療をご紹介しましたが、処方薬のみで完全にニキビ跡を改善するのは、非常に時間がかかり、完治が難しいことが多いです。まずはニキビ跡を残さないために、ニキビの炎症中からきちんと治療をすること、ニキビの出来にくい肌づくりをしていくことが大切です。
すでにニキビ跡ができてしまい、早く改善したいという方は、保険治療や処方薬だけでなく、自費治療のレーザーやピーリングなどで改善していくことも視野に入れてください。肌状態を、皮膚科や美容クリニックで相談し、適切な治療を選んで改善していきましょう。