ピコレーザーの効果とは
ピコレーザーはシミや肝斑、そばかすのほか、くすみ、毛穴トラブル、タトゥーの除去など幅広い肌悩みの改善に効果的なレーザー機器です。
これまでシミ治療のメインとして使用されていたQスイッチレーザーが10億分の1秒(ナノ秒)で照射していたのに対し、ピコレーザーはさらに短い1兆分の1秒(ピコ秒)で照射が可能となっています。
また、熱ではなく衝撃波でシミの元になるメラニン色素を破壊するだけでなく、短時間でより高いパワーによる照射ができるため、肌へのダメージがグッと抑えられているのが特徴です。
従来より痛みが少なく、短いダウンタイムで美肌を目指せます。
ピコレーザーは搭載されているモードによって効果が異なる
ピコレーザーには「ピコトーニング」、「ピコスポット」、「ピコフラクショナル」と3つの異なる照射モードが搭載されています。
それぞれのモードに切り替えることで、さまざまな肌悩みにあわせた効果や照射方法を選べます。
搭載モード①ピコトーニングの効果
ピコトーニングは、低出力のピコレーザーをシャワーのように照射するモードです。
シミやくすみ、毛穴、赤ら顔のほか、従来のレーザーでは治療が難しいとされる肝斑の治療もできます。
ある程度の回数が必要となりますが、少ない痛みと短いダウンタイムで肌質の改善を目指す人に向いています。
搭載モード②ピコスポットの効果
ピコスポットは、高出力のピコレーザーを狭い範囲でピンポイントに照射するモードです。
特に濃いシミの治療に効果的で、シミの状態によっては1回の照射でシミが薄くなることもあります。
照射した部位にはかさぶたができますが、照射後数日から1週間程度で剥がれるので、ほかのシミ取りレーザーより短いダウンタイムでシミ治療できるのが大きなメリットです。
また、Qスイッチレーザーなどのシミ取りレーザーでは必要なテープによる保護も不要で、広範囲のシミ治療にもピッタリ。
さらにピコスポットはカラフルな色素の粒子にもアプローチできるため、一般的なレーザーでは難しい色味のタトゥー除去にも対応できます。
搭載モード③ピコフラクショナルの効果
ピコフラクショナルは高密度のピコレーザーを照射し、肌表面に熱ではなく衝撃波で微細な穴を開けるモードです。
肌へ一時的にごくわずかな細かい傷をつけることで、傷を治そうとする創傷治癒力を利用して肌表面の凹凸を改善する治療をおこないます。
そのため、シミやそばかすのような色むらではなく、毛穴の開きやニキビ跡などの改善に向いています。さらに小じわの改善、ハリ・弾力アップの効果も期待できるのです。
従来のフラクショナルレーザーは熱エレルギーを利用していましたが、ピコフラクショナルは衝撃波を利用するため、肌のダメージを抑えながら肌質改善ができるようになりました。
ダウンタイムも数日程度で、照射当日からメイクが可能です。
ピコレーザーを照射後、効果を感じるのはいつから?
ピコレーザーは3つの照射モードによって、効果を実感できる時期や施術回数が違います。
それぞれ効果を実感し始めるまでの時期は以下の通りです。
照射モード | 効果を感じる施術回数の目安 |
ピコトーニング | 1回でも効果があるが、5~10回程度繰り返すとより実感しやすい |
ピコスポット |
1回の照射で効果を実感しやすい より高い効果を出すには、スキンケアや紫外線対策など照射後のアフターケアが重要 |
ピコフラクショナル | 1回でも効果があるが、3~5回程度繰り返すとより実感しやすい |
ピコレーザーは効果なしという意見もあるけれど…
比較的少ない回数で効果を実感しやすいピコレーザーですが、中には「ピコレーザーを受けたが効果がなかった」という口コミも見られます。
ピコレーザー治療の効果がないと感じられる可能性についてまとめました。
ピコレーザーでシミ取りをしたが効果なしだった
ピコレーザーの「ピコスポット」モードでシミ取りをしても効果がなかった場合、「炎症後色素沈着(PIH)」が起こっている可能性があります。
炎症で赤くなったあとシミになるもので、本来であれば熱刺激が少ないピコレーザーは炎症後色素沈着のリスクは低い治療方法です。
しかし、次のような行動により、炎症後色素沈着のリスクが高まります。
ピコレーザーで効果なしとなってしまう原因
- かさぶたを無理にはがす
- スクラブやマッサージなどで肌に強い摩擦刺激を与える
- 毛抜きやカミソリでムダ毛処理をして肌に刺激を与える
- 日焼けをする
ピコレーザーは肝斑に効果なしだったという声もある
ピコレーザーの「ピコトーニング」モードは肝斑治療にも効果的ですが、肝斑は1回の照射で高い効果を実感するのが難しくなっています。
一般的なシミと比べてデリケートな肝斑治療は、刺激を与えない程度の低い出力で照射するため、回数を重ねることで効果を実感できる方法だからです。
肝斑はピコトーニングの照射を複数回繰り返すことで少しずつ改善していきます。
しかし、より高い効果を実感するためには、内服薬の併用やスキンケアの見直しも必要です。医師と相談しながら、肌の状態にあった治療を進めていきましょう。
ピコレーザーの効果まとめ
ピコレーザーは改善したい肌トラブルにあわせた3つの照射モードがあり、幅広い肌悩みに対応しています。
より高い効果を実感するには、必要な照射回数を重ねたり、アフターケアをしっかり続けたりすることが大切です。
自分に合ったピコレーザー治療ができるよう、クリニックでしっかりカウンセリングを重ねて、納得できる施術を受けられるようにしたいですね。